大型バス事業から撤退する方針を表明するバス運行会社「イーエスピー」の高橋美作(みさく)社長=2016年1月17日午後、東京都羽村市(共同)【拡大】
事故に遭ったツアーのバス運行は、企画した旅行会社「キースツアー」(東京)が基準の下限(約27万円)を下回る約19万円を提示、イーエスピーが受注した。雪不足でスキー客が少ないことが理由で、仲介した「トラベルスタンドジャパン」(東京)も基準割れを認識しながらイーエスピーにバスを手配した。
キースツアーの福田万吉(まんきち)社長は「3月26日出発の最終日までの平均で下限を満たせばいいと考えている」と話した。
事故後のイーエスピーへの特別監査で、同様の低料金で受注した事例が1件見つかった。
一方、昨年2月の定期監査で、運転手13人中10人の健康診断未受診が見つかり、国交省は早期受診を指示した。
1カ月後に「全員受診させた」とイーエスピーは報告。国交省は今月13日、定期監査時点での未受診について、車両1台を運行停止とする行政処分をした。
しかし、事故後の特別監査で、その後も健康診断を実施しておらず、報告は虚偽だったことが分かった。