メヨハネス・フェルメール「水差しを持つ女」(1662年頃、45.7×40.6cm、メトロポリタン美術館、ニューヨーク)。Marquand_Collection,Gift_of_Henry_G.Marquand,1889(89.15.21)。Photo_Credit:Image_copyright。(C)The_Metropolitan_Museum_of_Art.Image_source:Art_Resource,NY【拡大】
白と、高価な貴石ラピスラズリからつくった青(ウルトラマリン)をたっぷり使い、すがすがしさを表現した。女性はどこにでもいそうな主婦に見え、時間はそのまま止まっているよう。ロンドン・ナショナル・ギャラリーのベッツィー・ウィーズマン学芸員は「17世紀のオランダに限らず、現代の日本やニューヨークで朝のフレッシュさを楽しむ習慣にも通じている。そうした“タイムレスな魅力”がフェルメールの持ち味」と指摘した。
レンブラントの「ベローナ」は対照的だ。よろいを着た、ほぼ等身大の女性が闇の中に浮かび上がる。その手にもつ盾には、髪の毛がヘビで、見る者を石に変えてしまうという怪物メドゥーサの首が浮き彫りされている。
ベローナとは、古代ローマの戦いの女神。絵のテーマはスペインからの独立に向けて、オランダの「覚悟」を表現したものと思われている。女神は、どこかの温和な「中年のおばさん」にしか見えないが、画中から見つめてくるまなざしは意味ありげで、内面がにじみ出ているようだ。