全勝対決で白鵬を寄り切った琴奨菊(ことしょうぎく、右)。唯一の勝ち放しとなった=2016年1月20日、東京都墨田区の両国国技館(塩浦孝明撮影)【拡大】
師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)が取組前に見通していた通りだった。「横綱を倒すには速攻しかない。先手を取ること。休むと、横綱の流れになってしまう」
琴奨菊は白鵬の左張り手にもひるまず、踏み込んだ。得意の左差し。右は抱え込んだままだが、休まない。何度もがぶって攻め、力強く押し出した。勝負に要した6秒9の間、相手に何もさせなかった。
白鵬に対しては過去4勝46敗。直近8連敗中と歯が立たなかったが、この日の朝稽古後は「今までは力みや欲があったけど、自信を持っていく」と自らに言い聞かせるように語っていた。
賜杯争いの先頭に立った。期待は高まるが、八角(はっかく)理事長(元横綱北勝海)は「これで(優勝)決定戦の権利を得たような感じ。これからが厳しいよ」との見方を示した。
12日目は最後の横綱戦で日馬富士に挑む。琴奨菊は「明日もしっかり準備してやるべきことをやる」と力を込めた。まだまだ勝負はこれからだ。(藤原翔/SANKEI EXPRESS)