満開のリンゴ畑のなかを選手たちが駆け抜けていく。標高500メートルから1000メートルのこのエリアはリンゴ栽培に適しているという=イタリア・トレンティーノ=アルト・アディジェ州(田中苑子さん撮影)【拡大】
≪小さな町の素朴な応援 100年変わらず≫
ジロ・デ・イタリアを頂点にしたイタリアの自転車ロードレース。その歴史は古く、1世紀以上も前からフランスやベルギーと並んでその創生期を支えてきた。多くの世界チャンピオンを輩出し、自転車ロードレースは今でもサッカーに次ぐ人気スポーツだ。しかし近年、少しずつイタリアで開催される自転車ロードレースは数を減らしている。
度重なるドーピングスキャンダルが暗い影を落とした結果であり、純粋なイタリア籍のトップチームは、かつては数チームあったが、現在は1チームを残すのみとなり、そのチームも台湾のバイクメーカーや香港のウエアメーカーから、大きな資金を得て、活動しているのが現状だ。
レースやチームが減ることに比例して、イタリア国内での競技人気も落ちているように思われるが、それでもイタリアには大勢の自転車ロードレースのファンがいる。ジロ・デル・トレンティーノが通り抜けるコースは、どこもかしこも小さな町。それでも沿道は、たくさんの観客でにぎわう。