川崎中1殺害事件の第3回公判が開かれた横浜地裁の法廷=2016年2月4日(代表撮影)【拡大】
事件では他に18歳の2人が傷害致死罪に問われている。
「言いたいことはただ一つ。遼太を返してほしい」。上村遼太さん殺害事件の公判で、上村さんの母親は涙を流し、声を絞り出すように意見陳述をした。父親も法廷に立ち、殺人罪などに問われた無職少年(19)をにらみつけ「絶対に許せない」と語気を強めた。傍聴席からはすすり泣きが漏れ、廷内に響いた。
検察官の後ろに立った父親は、涙があふれないよう歯を食いしばり、大きく息を吸った。上村さんと一緒に暮らした島根県西ノ島町について「とても小さな島でどこに行っても遼太の思い出ばかり。いつも釣りをしていた岸壁、真っ黒になって泳いだ海水浴場。今ではつらい思い出になってしまった」と語り始めた。「遼太が『今度の夏休みは島に行きたい』と言って別れたのが最後になった。もう島に帰ってくることはない」と声を震わせた。
事件後、「犯人を見つけられるかもしれない」と川崎駅周辺を歩き回ったことを明かした。少年の方に目をやり「できることなら自分のこの手で遼太の敵(かたき)を取ってやりたい」と声を荒げた。原稿を持つ手は震え「愛する人に一生会えない苦しみを分かっているでしょうか」と訴えた。