イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)が昨年2月1日(日本時間)に、拘束していた後藤健二さん=当時(47)=を殺害したとする映像を公開してから1年が経過した。ISは、米軍の空爆などで勢力拡張に歯止めがかかった今も、外国人の人質らを利用したプロパガンダ(政治宣伝)戦術を展開している。ISにとり、メンバーや支援者らを引きつける映像発信などが求心力維持の「生命線」だ。存在感を誇示するために欧米や周辺国でのテロをいっそう活発化させる懸念が強い。
昨年9月、ISがネット上で発行する機関誌に、黄色い作業服を着せられたノルウェー人と中国人の人質の写真が掲載された。2人の名前などとともに「FOR SALE(売り出し中)」「期間限定」といった文句が並ぶ。人質を“販売”する広告の形をとることで注目を集めるのが目的なのは明らかだ。
ISのプロパガンダの特徴は、次々と新手法を繰り出し話題を作る点にある。
人質の首を切断したショッキングな映像を多用するだけではない。後藤さんと湯川遥菜さん=当時(42)=の殺害では、巨額の身代金をふっかけた後、ヨルダンで収監中の女テロリストとの身柄交換を持ちかけた。