自民党大会で、参院選挙の必勝を期しガンバローコールを行う安倍晋三(しんぞう)総裁(中央)ら=2016年3月13日午前、東京都港区(春名中撮影)【拡大】
「一昨年、昨年に続き、今年の4月もみんなが喜ぶような賃上げをぜひお願いしたい。前もってお礼を申し上げたいと思います」
首相は党大会の演説で、来賓の経団連の榊原定征(さだゆき)会長を見つめながら、冗談交じりにこう強調した。さらに、2年連続のベースアップ実現や有効求人倍率の改善などを並べ、「私たちの進めてきた経済政策は間違いなく成果を出している」とアピールした。
その一方で悲願の憲法改正には触れずじまい。アベノミクスの第2ステージ「新三本の矢」の一角を占める子育て政策も、「保育園落ちた日本死ね」という匿名ブログの騒動に配慮したのか、ほとんど取り上げなかった。首相は2012年の政権交代以降、高い内閣支持率を誇ってきたが、今年に入り「政治とカネ」をめぐって甘利明(あまり・あきら)元経済再生担当相が辞任。不倫問題での宮崎謙介元衆院議員の辞職もあり、最近の支持率にはやや陰りもみられる。12日の全国幹事長会議では出席者から「緩んでいる」と批判が飛び、党執行部が釈明に追われた。ある派閥領袖(りょうしゅう)級は首相の慎重発言に「機微に触れる話題を避け、安全運転に徹した」と漏らした。