山陽自動車道下り線八本松トンネル内での多重事故で、炎上し焼け焦げた車両=2016年3月17日午前9時半ごろ、広島県東広島市(広島県警提供)【拡大】
激しい光 直後に爆発音
午前7時半ごろ、市街地北部の山を東西に貫く八本松トンネルは別の事故で渋滞し、最後尾の車がハザードランプをつけていた。異変があったのは、広島県三原市の女性会社員(39)が車列の後方で、走行車線に車を止めた直後だった。
突然、激しいクラクションが耳をつんざいた。緊張が走り、反射的に体をシートに押しつけたままバックミラーに目をやると、「突っ込んでくるトラックが見えた」。
県警によると、トラックは女性の車を巻き込み、前方の軽乗用車など十数台に次々と衝突。うち1台の兵庫県宍粟市の男性会社員(43)が車から降りると、オレンジ色の激しい光が目に飛び込んできた。「ドーン」。爆発音とともにトンネル天井に届く火柱が上がった。
「プラスチックが焼ける臭いがした」。現場にいた男性会社員(36)によると、当初、トンネルの消火器で火を消そうとした人もいた。しかし火の勢いが勝った。「早く逃げろ!」。誰かの叫び声が飛んだ。