ワールドカップトロフィーを掲げ喜ぶドイツのラームら。右端はレーウ監督=リオデジャネイロ(共同)【拡大】
普段は冷静なレーウ監督も、さすがに興奮を隠せなかった。目を見開き、選手、スタッフと次々に抱擁を交わす。アシスタントコーチを務めた2006年ドイツ大会から数え、3度目の挑戦で悲願のW杯制覇。「7試合とも良いゲームをしてくれた。このチームは優勝に値する」と選手たちをたたえた。
矢継ぎ早のアクシデントをものともしなかった。準決勝のブラジル戦で大活躍したケディラが、試合前のウオーミングアップ中にふくらはぎを負傷。急きょ先発したクラマーも試合中に接触プレーで意識朦朧となり、前半32分で途中交代を余儀なくされた。
だが、長い歳月をかけて意思統一されたチームはこの程度では揺るがない。指揮官は「サッカーは11人でするものではない。(途中交代枠3人を含む)14人なんだ」と力説する。延長後半8分、決勝点を奪ったのは2人の控え組だ。クラマーと代わったシュルレがアシストし、後半終了間際に出番を得たゲッツェが待望のゴール。選手層の厚さもドイツの強みだ。