それでいて、おそらく上に挙げたどんなピュアスポーツよりも実用性は高く、車両価格は安い。もちろん、アルトの乗用最廉価グレードが85万円以下(商用版は70万円以下!)と知ってしまうと、150万円という価格が安いとは言いづらい。しかし、性能は50万円高いS660にまったく引けをとらないどころか、体感的なスポーツ度はアルト ワークスのほうが上だと感じた。乗り心地が固いのはしょうがないとして、家族や友人+荷物を満載して穏やかに走ることもできるし、ぼっち乗りで元気に振り回すこともできる。多分、世界で最も安く、なおかつ最も汎用性の高いスポーツカーという独自の立ち位置にあるクルマなのだ。価格への評価は、その点を考慮に入れるべきだろう。
でも…正直、レカロシートなしの廉価版を15~20万円価格を下げて出したら、本当に「無敵」だとも思う。(産経ニュース/SankeiBiz共同取材)
■基本スペック
スズキ・アルト ワークス 5MT
全長/全幅/全高(m) 3.395/1.475/1.5
ホイールベース 2.46m
車両重量 670kg
乗車定員 4名
エンジン 水冷4サイクル直列3気筒インタークーラーターボ
総排気量 0.658L
駆動方式 前輪駆動
燃料タンク容量 27L
最高出力 47kW(64馬力)/6,000rpm
最大トルク 100N・m(10.2kgf・m)/3,000rpm
JC08モード燃費 23.0km/L
車両本体価格 159.984万円