ほめてばかりも癪なので
最後に難点を2つばかり。まず1点目は、このクルマに限った話ではないが、インフォテインメントシステムは多機能ぶりが仇となりメニュー階層がわかりづらく、直感的に使えないのが惜しい。一度使った機能をもう一度呼び出そうとしてもなかなかたどり着けないということが何度かあった。コントローラーの使い心地は悪くないので、ソフトウェアの洗練を期待したい。2点目はディスプレイ。性能も配置も悪くないのだが、とってつけたような独立形状なのはどうかと思う。せっかく一体感の高いインパネの中でどうしても浮いて見えてしまう。全体のゴージャスぶりを台無しにするほどひどくはないけれど、ここも惜しいなぁと思った。
価格以上 一度は味わいたい絶品フルコース
内外装に共通して言えることは、価格以上と思えるリッチぶり、ゴージャスぶりだ。評判のいいレストランのフルコース料理のように、あれも美味しい、こっちも絶品と運転(あるいは同乗)していて感じるもてなし感が際立っている。今回は一人試乗で走行中はずっと運転席だったけれど、一番気分がいいのは多分助手席ではないかと思う。そういう意味では、レクサスのサルーンやSUVが目指しているところに近いと感じた。いや、レクサスがベンツに追いつこうとしているのか。もてなし感だけの比較ならレクサスは結構いいところまで迫っているんじゃないだろうか。しかし走りの楽しさまで含めると…。
最廉価グレードでも628万円。誰にでも買えるクルマではない。ハイオク仕様は当然としても、実燃費もお世辞にもいいとは言えない。部品代も安くはないから、維持費もそれなりにかかる。それでも一生に一度でいい、短期間でも、レンタカーでもいいから、こういう世界があるんだということを、味わってみてはどうだろう。後戻りできなくなっても責任は持てないが。(文・カメラ 小島純一)