IT・ハイテク産業の育成に注力
中国の首都北京市は、経済都市の上海市に対して、政治・教育・文化の中心都市として発展してきました。近年は、経済都市としても著しい発展を続け、環渤海湾経済圏の中心地となっています。近年の経済発展を勢いづけたのは、2008年の北京オリンピックといえるでしょう。
筆者は、04~09年の天津駐在中に北京の変わりようを見てきましたが、このオリンピックを機に、北京はいろいろな意味で真の国際都市になったという印象を受けました。
ちなみに、天津市は北京市と同じく直轄都市で、北京市に隣接しており、古くから工業都市として栄えた都市です。
郊外開発区に集積
北京市への進出は、首都であり政治の中心地でもあることから、中国統括会社や駐在員事務所の形態で進出しているケースが多い傾向にあります。ここ数年は、IT(情報技術)やハイテク関連企業、金融企業やコンテンツ企業などサービス業の進出が増えてきています。
これは、北京市が07年に打ち出した「北京市産業構造調整指導意見」において、「現代サービス業・技術産業・現代製造業・現代農業」を重点的に育成するという方針を示し、これらの産業を積極的に誘致してきたことによります。