ここで誰しも中間駅は奈良市付近の奈良県内に設置されるものと考えた。ところが、お隣の京都がこれをよしとしなかった。京都側は今年2月、京都府・市などが設置した「明日の京都の高速鉄道検討委員会」が、JR京都駅(京都市)へのリニア誘致を正式に表明したのだ。
この表明は、奈良側にとって誘致の際の課題となっていた駅の設置費用が、地元負担からJR東海側の負担に変更された後だった。
この時点での誘致表明に、奈良市の仲川げん市長は「地元負担がなくなり、地上駅に決まった途端に手をあげるのはずるいやり方だ」と激しく批判する。
一方、京都側の誘致の動きに同調するのが、京都府・市が加入する関西広域連合だ。大阪市の橋下徹市長と滋賀県の嘉田由紀子知事は、相次いで京都駅への誘致に支持を表明した。
いくら“ラブコール”を送っても関西広域連合に加入しようとしない奈良県に対し、橋下市長は「奈良県がいないうちに、話をどんどん進めていいのでは」と挑発的に発言する。