10月には、京都市議会によるリニア誘致を実現させる超党派の議員連盟も立ち上がった。
迎え撃つ奈良は…
強力な援軍を得た格好の京都に対し、“本命”のはずの奈良はどうか。一枚岩とは言い難い状況だ。
奈良県では今年3月、大和郡山市の上田清市長、生駒市の山下真市長が立て続けに、それぞれの市域への中間駅設置を荒井正吾知事に要望した。
大和郡山市のアピールポイントは、西名阪自動車道や京奈和自動車道、国道24、25号、JR関西線などが通り、アクセス条件としては県内屈指の立地条件ということだ。
一方、生駒市は、名古屋と新大阪をほぼ直線で結ぶルート上にあり、大規模な未利用地に必要なだけの土地を低コストで確保できると説明する。ただ、この未利用地付近には鉄道の駅がなく、アクセスが不便なため、近鉄けいはんな線を延伸することで中間駅と連結させたい考えだ。
両市から半年遅れの10月、奈良市が誘致に名乗りをあげた。これまで中間駅の設置場所が「奈良市付近」とされていながら積極的な誘致を表明してこなかったが、市北部の関西文化学術研究都市への誘致を掲げた。