この場で、将来的な近鉄けいはんな線の延伸を目指す山下市長が「現時点における交通結節性だけでなく、将来の開業時の交通結節性も含んで理解すべきだ」と発言したのに対し、荒井知事は「ちょっと違う。将来は不確実で、できるだけ確実な計画に基づかねばならないのは交通の鉄則だ」と反論。両者の意見の食い違いが表面化した。
奈良の「悲願」
これまで東海道新幹線から大きく外れていた奈良県にとって、リニアの中間駅設置は悲願だ。空港も新幹線の駅もないのは、全国で奈良、三重、山梨の3県のみだ。奈良は道路網も脆弱(ぜいじゃく)で、関係者の中間駅設置にかける期待は大きい。
荒井知事は「東日本大震災の経験を踏まえ、3大都市圏をつなぐ高速輸送体系の二重系化の確保を図る上でも、早期に整備を行うことが必要」と、同県経由の重要性を訴えている。