但し、30代以上のクラッシックフォーマル系の日本人男性のファッションには厳しい目を向ける。これらは無関心派と頑張り過ぎ派に分かれ、どちらをとってもファッション人のヒントにならない。
移川さんもこう説明する。
「ビジネスマンのおしゃれは、イタリアの男性に見るべきものがあります。最近カムバックした白、水色のシャツにグレーか濃紺の仕立てのいいジャケット。そして下はチノパンやオーソドックスなジーンズで合わせる。そこが彼らの個性の見せ所ですね。ベルトや靴は、バックルなどでブランドが一目瞭然なんてありえません。あくまでノーロゴです」
ぼくは、日本の若い男性のファッションの話を聞いていて、ひとつ思い出したことがある。フランス料理シェフ・松嶋啓介さんの言葉だ。
「飽食の時代以降の和食は、食材の組み合わせの多様性に強みがあると思います」
日本の製造業は摺合せが得意とされてきたが、和食も組み合わせの多様性を特徴としている。そしてファッションにおいてもコンビネーションの妙が評価されている。日本人のきめ細かさが強みというのは、微妙な合わせに一歩秀でるということなのではないか。
◇
ローカリゼーションマップの勉強会を9月21日行います。テーマは「文化コンテクストを読むサービスデザイン」です。詳細は下記。参加ご希望の方はメールでお申込みください。(http://milano.metrocs.jp/archives/5933)
ローカリゼーションマップとは? 異文化市場を短期間で理解するためのアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だが、異文化の対象は海外市場に限らず国内市場も含まれる。
安西洋之(あんざい ひろゆき) 上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)とフェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih