「そうですね、刺身を食べられないアメリカ人はまだまだ多いですが、Sashimiカルパッチョと言えば食べてくれます。今、私がアメリカで広めているのが九州の名産である『ゆずコショウ』なのですが、ジャパニーズ・ハラペーニョと言ってメキシコ産唐辛子への親近感を使っています」
現在、来る世界の食糧危機に対して昆虫食の促進が国連などでも検討されているが、昆虫と言っただけで拒否反応を示す人が多い。
ヒミさんも「昆虫という言葉自体を変える方が良いでしょうね。まったく別の食べ物としての提案と、これを食べることによって何がイイか?というPR。たとえば、たんぱく質やアミノ酸を多く摂取できるとか。でも一番の決め手は誰がそれを言葉にするかです」と話す。
料理は言葉ではなくて味だと語る人は多い。それは当然なのだが、それによって言葉を軽視するのは間違いだ。「誰か敬意を抱く人がこういう表現をしたから、自分も食べてみたい」と思うのが自然だ。レストランガイドから友人のお勧めに至るまで、すべてこのルールに沿っている。
相手の立場にたった言葉で表現しきることは想像以上のパワーをもつ。言葉がバイアスを作り、またバイアスを外すのだ。
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ローカリゼーションマップの勉強会を9月21日行います。テーマは「文化コンテクストを読むサービスデザイン」です。詳細は下記。参加ご希望の方はメールでお申込みください。(http://milano.metrocs.jp/archives/5933)
ローカリゼーションマップとは? 異文化市場を短期間で理解するためのアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だが、異文化の対象は海外市場に限らず国内市場も含まれる。
安西洋之(あんざい ひろゆき) 上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)とフェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih