大きく変わり始めたブランドの風向き 重要性は新興国に限らず (3/3ページ)

2013.9.15 06:00

 ブランドの風向きが変わり始めたと思ったのは、21世紀に入った頃だろうか。F1でシューマッハがフェラーリで勝ち続け、彼の年収が他のスポーツ選手のそれを大きく引き離し、しかもチームからの報酬もさることながら、彼個人へのスポンサーフィーが大きな割合を占めることを知った時だ。お金と名声の一極集中化だ。

 同時にアマゾンなどネットでのブランドが短期間に成立する様子をみて、「19世紀から綿綿と続く職人魂」というよくある口上とは別次元のブランドが認知されていく時代になったと感じた。モノでもコトでも普及の範囲と速度が格段に違った世界を前にし、ブランドの位置も変わってきて当たり前である。

 冒頭の話題に戻ろう。

 アジアや中東の企業が歴史ある欧州ブランドを買収する流れがなくなるわけではないが、「そんな無駄金を払うより自分でブランドを作ってしまえ!」と考える人が多くなっていくだろう。ブランドの概念そのものが、これによってさらに大きく変貌していくのは必至だ。

 しかし、だからこそ人肌を感じる歴史あるブランドがより稀少性を発揮するとのパラドックスが生まれるのも確実だ。

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 安西洋之(あんざい ひろゆき) 上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)フェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih

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