北米のメディアでは昨今、米国のアジア回帰の“本気度”に関する報道が目立つようになっています。そのキーワードが、Pivot(軸足)とRebalancing(TPSEP=バランスの再調整)。限られた国防予算のなかで、軸足を中東からアジアに移し、アラビア海から、インド洋、マラッカ海峡、南シナ海、太平洋に繋がる資源輸送を担保するため、どの国々と戦略的結びつきを強化するのかを問う動きが鍵なのです。
すでに豪州、ニュージーランド、フィリピン、ベトナム、マレーシア、シンガポール、インドに加え、ミャンマーとインドネシアまでが米国と歩調を合わせ始めている一方で、中国と本音で呼吸を合わせているのは北朝鮮、パキスタン、イラン、シリアと限られた国に絞られつつあるようです。
米議会でのやりとりを報じた記事を見ると、「TPSEP」交渉推進の目的に関しては、「メンバー諸国の相互信頼が、安全な貨物運行を含む貿易経済の進展につながり、潜在的リスクを減退させうる」と、言外に中国の強引な軍事的海洋進出に対抗する姿勢が見え見えなのです。日本のマスコミは、単なる中国とベトナムやフィリピンとの領海抗争とする報道に終始していますが、その裏にあるアメリカ連合による包囲網を見逃してはなりません。