中でも、これまで中国型「共産党一党独裁・国家資本主義」を共有してきたベトナムの米陣営への?寝返り?を具現化したTPP参加に対し、中国は強烈な衝撃を受け、中越抗争が日増しに強まっている事態にも注目すべきでしょう。
カナダが重い腰を上げたワケ
話をTPPからカナダに戻します。経済メリット志向から、中国に甘い姿勢できたカナダが、なぜ無関心だったTPPへの参加を決めたのか。その背景には、既述したような、移民に端を発するスパイ活動の深化に対する防御対策を講じる必要が生じたことが、まず一つあるでしょう。さらに、「太平洋国防」に絡めて経済大国の名を借り
た軍事大国の様相を増進する中国が、周辺諸国の味方を失いつつ、四面楚歌に陥っている-との現状分析が、カナダの重い腰を動かせたことが垣間見えてきます。
同じ観点から、日本も、対中経済関係維持発展だけにこだわりすぎ、民主党政権時のような軟弱大使を頂く低姿勢外交とか、スパイ天国ぶりが、膨大な国益を損ねている(一説に百兆円レベルの喪失)ことを早く自覚してほしいものです。