10日に閉幕したTPP交渉の閣僚会合は、目標の「妥結」を先送りし、どの分野でも「合意」を打ち出さない肩すかしの決着となった。閣僚に期待された関税や知的財産など難航分野での政治判断は最後まで示されず、米国と新興国の対立は残ったままだ。交渉参加12カ国は再び協議を始めるが、交渉妥結に向けた勢いを取り戻すのは容易ではない。
「これだけ議論しても、それぞれの立場の違う部分がある」
西村康稔内閣府副大臣は会合後の共同会見で、4日間の会合を振り返った。
結論先送りの最大の要因は、米国の強硬姿勢だ。最も議論が難航した「知的財産」は、米国が求める特許や著作権の保護期間延長に対して、マレーシアが特許切れの安価なジェネリック医薬品(後発薬)などの影響を懸念して反発した。