日本は「各国に要求を突きつけている米国がまず譲歩すべきだ」(通商筋)という立場。1月25日にスイスで、林芳正農林水産相らが米通商代表部(USTR)のフロマン代表と会談したのに続き、大江博首席交渉官代理が訪米して軟化を促し、「米国も双方が歩み寄る重要性は認識してきた」(同)。
だが、米国が実際に譲歩するかは不透明だ。さらに、米国は11月に中間選挙を控え、春以降は「選挙を意識して交渉が難しくなる」(交渉関係者)。
甘利明TPP担当相は1月31日の閣議後会見で、「閣僚会合は通過点ではない。交渉妥結の決意を持ってすべての国が臨むべきだ」と背水の陣になるとの認識を示した。
対米優位を狙う豪
日本とオーストラリアのEPA交渉も、大詰めの調整に入っている。昨年9月に就任した同国のアボット首相の訪日が4月に見込まれる。また現地メディアは、7月に安倍晋三首相がオーストラリアを訪問しEPAを締結する可能性も報じている。