ジャカルタにも20年前から地下鉄の建設計画はあった。だが、いろいろな事情で延び延びになっていた。例えば、雨期のジャカルタ名物といわれ、道路が膝や腰まで冠水するほどの洪水に見舞われると、地下ホームに濁流が押し寄せて大惨事になることを理由に反対を唱える向きもあった。
紆余(うよ)曲折の末に、ジャカルタの地下鉄は今年、国際協力機構(JICA)の円借款事業としてやっと着工にこぎつけた。まずは南北線の第1期15.7キロメートルが対象で、地下鉄と高架鉄道から成り、地下に6カ所と高架部分に7カ所の計13駅が設置される。総事業費は1570億円、開通は18年の予定だ。
地下区間はジャカルタ中心部を南北に貫くスディルマン通りの下を走る予定で、清水建設、大林組、三井住友建設がインドネシアの企業と組んで建設工事を落札した。郊外の高架区間は東急建設がインドネシア国営企業とともに落札している。
交差点改良も後押し
今年1月から順次着工。スディルマン通りは片側3~5車線だが、地下鉄工事にともない1月から街路樹の伐採やガス管の移設工事で車線が減っている。中央分離帯が白い壁で囲われ、4月の本格着工の準備も進む。将来的には、この南北線を北へ伸ばす第2期工事や、2本の東西線の建設も行われる予定だ。このほか、2本のモノレール建設計画もあるが、工事が中断しており、ジャカルタ特別州が工事再開を模索している。