しかし、この10数年はミラノ市内で同時期に開催される膨大な数の各種展示やイベント「フオーリ・サローネ」(サローネの外)と呼ばれるカテゴリーが注目されてきた。そのためサローネとフオーリを一括して「サローネに行く」という表現が普及してきた。インテリア関係の出版社が上手く仕掛けた成功例である。今年も4月8日から13日までの6日間開催された。
このフオーリはインテリア業界だけのイベントではなく、自動車や家電などの企業も参加しデザインウイークとしての地位を築いたのだ。人が集まる仕掛けができると、自動的にアイデアが繁殖していく。色々な国のデザイン振興機関も自国のデザインを世界にアピールする場に使う。今年はトリエンナーレ美術館で韓国と香港がプロモートしていた。
訪れる人もデザインのトレンドを見るために「サローネに来る」から、業界は幅広い。もともとこのサローネが家具の見本市を指すことすら知らない人たちもミラノにはるばるやってくる。
確かに普段は内部を覗けない建物の中庭などで開催されているフオーリの展示は、街の文脈の読み込みの面白さと相まってワクワク感がある。意外なインスタレーションに意表を突かれる楽しさもある。が、「これだけの投資をして、本当に経済的な見返りを得ているのだろうか」という疑問が各参加企業にないわけではなかった。商売にならない訪問者にただ酒を飲まれている、というわけだ