商船三井の問題は、日中経済関係の分水嶺 “中国離れ”進めば成長の痛手に (4/4ページ)

2014.4.22 06:52

 こうした日本に対する中国の反転攻勢は、10年の日中国内総生産(GDP)規模の逆転前後から目立つようになった。日本企業から技術や資金、ノウハウを吸収し尽くしたところで、世界第2の経済大国として傲慢(ごうまん)さも増した中国が、日本への「倍返し」を始めたといえる。

 しかし、中国経済は輸出低迷などによる成長鈍化が鮮明になっており、日本企業の“中国離れ”が進めば中国の成長維持にとって大きな痛手となりかねない。胡錦濤前国家主席に近い汪洋副首相は先に、日本国際貿易促進協会の訪中団との北京での会談で、「中国政府は日本の為政者と経済界を一つに見ているわけではない」と述べ、日中の政治対立とは一定程度切り離して経済や文化交流を進める考えも示した。中国の一部テクノクラートは一方的な反日攻勢は得策ではないと考えている。

 それでも、この汪氏の発言が習指導部の総意になるとは考えにくい。商船三井の船舶差し押さえが、今後の日中経済関係を決定づける重大な「分水嶺(ぶんすいれい)」となったことは間違いない。(産経新聞上海支局長 河崎真澄)

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