福島第1原発4号機の原子炉建屋。燃料貯蔵プールから燃料棒を取り出す作業が続く=4月15日【拡大】
■原子力の担い手確保が課題
原発の運転停止が続く中で、原子力を担う人材確保が課題となりつつある。福島第1原発事故後、原子力産業への就職を希望する学生が減少、事故の当事者である東京電力からは人材流出が続く。先に閣議決定された「エネルギー基本計画」では原発を「重要なベースロード電源」としながらも、原発依存度を「可能な限り低減させる」と明記した。“玉虫色”の原子力政策に対し、電力各社や原発メーカーは「将来の原子力産業を担う人材を確保できなくなる」と懸念を強めている。
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■志願者大幅減、廃炉に支障も
「全員一丸となって取り組もう」
4月1日午前8時半、東京電力福島第2原発の免震重要棟。同日設立された社内分社「福島第1廃炉推進カンパニー」の社員、数百人が集められ、増田尚宏最高責任者がこう訓示した。第1原発の事務スペースが手狭なため、大半の社員はしばらく第2原発で働くのだ。
全国10電力で初めて設置された廃炉専門の部門となる。収益を生み出さないため、社員士気をどう高め、優秀な人材をどう集めるかが課題だ。増田氏は「第1原発の後始末という意識ではダメ。かつてない事業なので、ロボットなど世界最先端の技術者も集う。前向きにやりがいを感じてもらえれば」と話す。
だが、東電では人材の流出が続く。事故前に年100人程度だった自主退職者は平成23年度は465人、24年度は712人と跳ね上がった。25年度も488人で、3年間で合計1665人に達した。このうち4割は経営幹部候補や原子力技術者などの中核社員といい、こうした状況に歯止めがかからなければ、廃炉にも影響しかねない。