環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をめぐり、日米両政府は29日(日本時間30日)、米ワシントンで事務レベル協議を再開し、日本の重要農産品5分野の関税の扱いで着地点を探る。最大の焦点は豚肉の関税で、日本は低価格帯の輸入品に適用する関税を大幅に下げる譲歩案を検討。ただ、関税撤廃を求める米豚肉団体の圧力もあり、厳しい攻防は避けられない。
今回の協議は30日まで2日間の日程で、日本からは大江博首席交渉官代理、米国からは通商代表部(USTR)のカトラー次席代表代行が出席。大江氏は29日午前、米国へ出発する成田空港で記者団に「ぎりぎりの交渉で接点をみつけたい」と強調した。
しかし、米国内では対日強硬論が日増しに強まっている。全米豚肉生産者協議会は28日、日本に対して「すべての関税の撤廃」を求める声明を発表。日本が撤廃に応じない場合は日本抜きでTPP交渉を合意させるよう米政府に要求した。背景にあるのは11月の中間選挙。オバマ政権は豚肉業界に配慮せざるを得ず、日本に歩み寄るのは容易でない情勢だ。米議会も「悪い合意なら、しない方がいい」(上院財政委員会のワイデン委員長)とハードルを上げてきている。