外国人に日本の悪い点を指摘されるのは耳が痛い。日本人の自己批判以上に適切なことも多いからだ。
高級と称される旅館であろうと食事や起床の時刻は客に押しつけるのが一般的で、それは高級という格に適切なあり方なのか?と外国人に問われると、「そうだ!オカシイ!」と膝を打つ日本の人も少なくないはずだ。
「なぜ、お金を払う立場の人間が、こんなに気を遣わないといけないのだ」というわけだ。
しかし、往々にして旅館であれ寿司屋であれ、高級なサービスとは女将や大将のいろいろな「指導」に従うことと思っている、という節が日本人にはある。「お客様は神さま」とばかり、お客が威張りまくるのは見苦しいし、お客も店の人とよい関係をつくる努力は求められるが、「そこまで下手にでるか」というシーンも珍しくない。
こういうことを真正面から意見しているのが、デービッド・アトキンソン氏である。創業300年を超える国宝・重要文化財の補修を専門とする小西美術工藝社の代表取締役社長、元ゴールドマン・サックスのアナリストの日本在住25年の英国人だ。
彼の新著「イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る」は、とても切れ味が良い。日本の経済成長には観光業の活性化が欠かせず、そのために文化財の保存にもっと注意を傾けるべき、というのが提言だ。
これを実現するに障害になるのが、実は日本社会のいくつかの悪い点である。