カナダは来年10月に総選挙が予定されている。TPP交渉では米国などから乳製品や畜産関連市場の開放を求められており、選挙が近づくほど国内の関係業界を刺激する交渉を進めにくくなるという事情がある。
TPP交渉は今年11月に中国・北京で開催された首脳・閣僚会合で、日本が合流した昨年に続いて年内の大筋合意が断念された。交渉の越年が確実になり、カナダはますます交渉の推進には慎重にならざるを得なくなっている。
実際、カナダは参加国との2国間の関税協議などをほとんど進めていないのが現状で、日本の政府高官は「今、交渉の“問題児”となっているのはカナダ」と明かす。
交渉はこれまで日本の重要農産品の関税をめぐる日米協議の未決着や知的財産など難航分野に関する米国と新興国の対立がブレーキとなっていた。さらに参加国で日米に次ぐ経済規模のカナダが停滞要因となれば、合意が一層難しくなるのは確実だ。