全長800メートルの巨大プールの設置が計画されていた大阪・ミナミの道頓堀川。観光船事業者との調整がつかず、計画は中止に追い込まれた【拡大】
しかし、約30億円とされる建設事業費の負担がネックに。肝心のプールを運営する企業も見つからず、計画に暗雲が立ちこめた。準備会社関係者は「『金は出す』という企業はたくさんあったが、これだけ大きな事業なので、本業のほかにプールの運営も引き受けてくれるところが見つからなかった」と振り返る。
結局、準備会社は26年夏の段階で、当初の日本橋-深里(ふかり)橋間の約800メートルから、戎橋-太左右衛門橋間の約80メートルに、規模を10分の1に縮小した上で、27年8月に開業することを決めた。
観光船との調整が難航
一難去ってまた一難。さらに別の問題が持ち上がる。
道頓堀川は大阪市が管理する約2・7キロの一級河川で、所管する市河川課はプール設置にあたり、河川法に基づいて許可条件を提示した。
(1)川の護岸を傷つけないこと
(2)洪水時、プールによって水がせき止められないようにすること
(3)塩素の入った水を流すことで川の水質に影響を与えないようにすること
(4)川を運航する観光船の事業者ら関係者の了解を得ること