全長800メートルの巨大プールの設置が計画されていた大阪・ミナミの道頓堀川。観光船事業者との調整がつかず、計画は中止に追い込まれた【拡大】
橋下氏「非常に残念」
準備会社は地元・道頓堀商店会会長の今井徹氏が代表を務める民間会社。プール計画をめぐっては当初、堺屋氏が維新のブレーンを務めていることから、「維新の宣伝だ」という声が上がった。さらに、実際には公金は支出されていないにもかかわらず、「税金でそんなことをするな」といった批判も準備会社側に数多く寄せられたという。
こうした批判を受けながらも、奇抜な計画に多くの地元関係者が出資したのは、「プールをきっかけに、ミナミの街を良くしたい」という切実な思いがあったからだ。
ミナミは、昨年6月に施行された大阪市の「客引き行為適正化条例」に基づき、客引きの「禁止区域」に指定されたエリア。今井氏らは、悪質な客引きの増加で「怖いイメージを持たれる街になってしまった」と危機感を募らせ、大阪の街に詳しい堺屋氏に相談した。24年1月に「道頓堀プール」というアイデアが発表されると、ミナミの活性化という「目標」に向けて準備を進めてきた。