究極の語学力とは? モデレーターは母国語を話す人に限る (2/3ページ)

2015.7.12 06:00

 ストレスがあっても、例えば、個人的な友人関係ではそれ以上にお互い得るものがある。心情的な喜びもある。お互いに通じにくい言葉でコミュニケーションをとるカップルの数は数えきれない。だが、イベントのモデレーターと聴衆は恋人でもないし、友人ですらない。

 他方、ある国の文化や料理や他の国の人たちに説明しようとするとき、しかも、たまたま通りかかった人の関心を引きよせるならば、手段は極めて限られている。だからこそ、万博のパビリオンでも映像や音楽に「逃げる」ケースが散見されるわけである。

 通訳の選択も似たような基準がある。ビジネスの会議では正確な同時や逐次通訳が求められる。正確である以外のパーフォーマンスなど無用であるだけでなく、邪魔でさえある。

 しかしながら懇親的な要素の多い楽しむ会話をメインとする食事の席での通訳は、正確さよりもリズムを作る役割が通訳には求められる。そして何よりもそれなりの人数でも声が通らないといけない。食事をしながら通訳がマイクをもつわけにはいかない。

 究極の語学力とは、最悪の音の環境のなかでも注意を傾けることなく自然に他人の会話が耳に入ってきて、それと同じことが他人に対してもできることだ。TVを見ながら、隣の家の夫婦の会話を意図せずに盗み聞ぎしてしまう…というレベルである。

 冒頭の話題に戻るなら、会場の規模にもよるが、モデレーターが聴衆の表情とポツリと隣の人に小さな声で漏らす感想が瞬時に理解できるのが理想なのである。

 自分が日本語で日本人を相手にモデレーターをしている経験を思い出せば、分かるだろう。

しかしながら、自分たちの事情を伝えるには自分たちの言葉で…

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