もともとギリシャは税の捕捉率が低いうえ、歳出チェックさえ行われない放漫財政を続けていた。社会保障費や軍備費のほとんどを借金でまかなうほどだったが、当時の全ギリシャ社会主義運動(PASOK)政権は国民に「五輪の財源の心配はない」と嘘をついて開催を決めた。
01年9月の米中枢同時テロの余波で会場の警備費が前大会のシドニー五輪の5倍に膨れ上がるなどの要因も重なり、アテネ五輪による借金はインフラ投資分を除いても70億ユーロに上り、08年以降の景気後退の中でギリシャが雪だるま式に公的債務を膨らませていく一因になった。
同国がアテネ五輪でつまずいた要因は、大きな経済効果を当て込み大盤振る舞いの投資を行ったことだ。
五輪の経済効果については09年3月に米サンフランシスコ連銀のエコノミスト、マーク・スピーゲル氏とカリフォルニア大学バークレー校のアンドリュー・ローズ教授が共同でまとめたリポートがある。五輪開催国は国際的な認知度が向上し、五輪後も長期にわたり貿易が増えるなど経済効果が続くと分析した。