【ビジネスアイコラム】アテネ五輪の教訓 幻の経済効果に大盤振る舞い (3/3ページ)

2015.8.15 09:14

 ただ、これは1964年の東京五輪当時の日本のように途上国が開催した場合の話という。ローズ教授は米誌タイムで「ギリシャをはじめ先進的な自由経済の国にとって(五輪開催は)ほとんど浪費といえる」とアテネ五輪の効果を総括した。

 欧米では日本同様、成熟経済の下で財政健全化に取り組む英国が2012年のロンドン大会で開催費用を当初見積もりの146億ポンド(約2兆8375億円)から約3分の2の104億ポンドにまで削減。24年夏季五輪の本命とみられていた米ボストン(マサチューセッツ州)も先月下旬、財政圧迫をきらい招致を断念した。こうした動きは、巨額の五輪投資が経済的に引き合わなくなってきている証しといえる。

 翻って20年東京五輪はどうか。都が12年6月にまとめた試算によると、東京五輪の経済効果は20年までの総額で2兆9609億円に上る。関係者の間には訪日客増加などを通しアベノミクスの「第4の矢」になるとの期待も強いが、行き過ぎれば膨らむ投資を「経済成長の呼び水だから」と正当化する心理につながりかねない。「五輪投資は浪費」と割り切って関連施設の整備計画を決めればギリシャの轍(てつ)を踏まずに済む。(産経新聞経済本部編集委員 佐藤健二)

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