既得権益あぶり出すマイナンバー 日本全体を一気に変える可能性秘める (3/3ページ)

2015.10.11 07:02

マイナンバーの公式PRキャラクター「マイナちゃん」と会見する甘利明社会保障・税一体改革担当相

マイナンバーの公式PRキャラクター「マイナちゃん」と会見する甘利明社会保障・税一体改革担当相【拡大】

 休眠口座の預金にも利子が付く。本来は持ち主に返さなくてはならないお金だが、返還請求がなければ一般金融機関は5年か10年、郵便局は20年経つと「雑所得」として計上できる。その利益金は全体で毎年約500億円。マイナンバーの利用が金融口座にも広がれば休眠口座も激減するはずだが、金融機関は導入に消極的だ。

 マイナンバーの利用範囲拡大はその裏に隠れていた既得権益をあぶり出すことにつながる。言い換えればマイナンバーは社会の仕組みやシステム全体を「見える化」し、日本全体を一気に変える可能性を秘めているのだ。

 抵抗の大きさを予想してか、政府は当面、マイナンバーの利用を税と社会保障、災害の3分野に限定して導入し、国民の理解を深めてから戸籍や旅券、自動車登録事務、医療介護・健康情報や個人金融口座などへ順次拡大していく方針だ。マイナンバー制度を研究してきた富士通総研経済研究所の榎並利博主席研究員は「利用範囲の拡大を阻むのは省庁の縦割り行政と既得権益です。国民はマイナンバーに関心を持ってその運用をしっかりと監視し、見守っていく必要がある」と話している。

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