自民党が20日に正式決定したTPP対策は、安倍晋三政権が成長戦略の柱と位置付けるTPPのプラス面を並べた内容になった。
党から政府への提言という体裁をとりつつも、実際は各省庁が予算獲得に向けて事業を“逆提言”した側面が強い。事業費の膨張を警戒する財務省は既に予防線を張っており、今後の予算化に向けてせめぎ合いが繰り広げられそうだ。
TPPを契機に大企業だけでなく中小企業も積極的に海外展開する「新輸出大国」を目指す-。自民党の対策では、関税をはじめ各国の貿易障壁が取り除かれるTPPの好機を最大限生かす攻めの姿勢を強調した。
ただ、日本貿易振興機構(ジェトロ)を通じた中小企業の海外展開支援や、政権幹部のトップセールスによるインフラ輸出の支援など、個々の対策に目新しさは少ない。むしろ既存事業をTPPと結び付け、存在感をアピールした格好だ。
提言は自民党の各部会が提出した対策案を集約して作られたが、10月5日の大筋合意から約1カ月半でまとめる短期決戦とあって、所管省庁が全面的に後押しした。「提言に入れば予算折衝で有利なお墨付きを得られる」(経済官庁幹部)だけに役所側も意欲的だ。