中国湖北省襄陽で、孫の面倒をみながら談笑する女性ら=2008年7月(ロイター=共同)【拡大】
中国経済が急激に減速するなか、中央・地方政府の財政を脅かす新たな“時限爆弾”が炸裂する恐れが現実味を帯びてきた。好景気だった時期に次々と導入した医療・年金などの社会保障関係費が、少子高齢化の進展とともに膨張。これに景気減速が追い討ちをかけている格好だ。集めた保険料の運用実態も不透明で混乱に拍車をかけており、専門家は「すぐに制度を見直さないと、大混乱に陥る」と警鐘を鳴らす。
急増する社会保障費
年金や医療、福祉にかかるコストを示す社会保障関係費の急増が、中国で止まらない。
2009年には約1兆億元(約20兆円)強ほどだったが、わずか5年後の2014年には約2兆6100億元(約52兆円)と急激に膨らんだ。
多額の社会保障関係費が財政を圧迫しているとされる日本(約32兆円、2014年)と比較しても、その規模は突出している。
その背景には、中央と地方の政府に分かれて社会保障関係費を負担している中国特有の財政構造がある。
日本のシンクタンク・ニッセイ基礎研究所が調べたところ、社会保障関係費の実質の負担割合は中央が6割、地方が4割。そして負担額そのものは、中央、地方ともに増加の一途をたどっていた。