雇用増加にあの手この手 「地方版総合戦略」 計画から実行段階へ (5/6ページ)

2016.4.12 05:00

養殖マグロのいけすの様子を見る楳田輝さん=3月、長崎県五島市

養殖マグロのいけすの様子を見る楳田輝さん=3月、長崎県五島市【拡大】

 一つの政策だけ進めれば地域が存続するという状況ではない。子育て支援や医療体制の充実も図り、地元の住民が住み続けやすく、都市に出た若者が帰ってきたくなる土壌づくりを進めたい。

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【プロフィル】牧野光朗

 まきの・みつお 1961年長野県生まれ。日本開発銀行(現日本政策投資銀行)などを経て2004年から現職。

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 ■学生や外国人観光客を誘致

 □新潟大教授・田村秀氏

 地方行政の研究で培った知識を、小規模自治体の現場で実践したいとの思いがあり、昨年4月、群馬県みなかみ町の非常勤参与に就任した。

 町は上越新幹線で東京と1時間余りで結ばれ、温泉やアウトドアスポーツといった観光資源も豊富だ。ただ、企業や工場を誘致しても若者の流出は止まらず、人口減少は加速している。

 地方版総合戦略の内容を検討する会議の議長として、住民や観光業界、金融機関といった関係者の意見をまとめた。作成過程で外部の助言機関などは一切使わず、住民らの意見や希望を土台にした。作成期限より前の昨年10月末に仕上げた。

 戦略に基づき官民連携の観光推進組織を全国に先駆けて立ち上げた。さいたま市や台湾・台南市など友好都市との関係を深め、学生や外国人観光客を呼び込む計画だ。

 人口ビジョンで2040年に、女性1人が生涯に産む子供の推定人数を示す合計特殊出生率を2.1程度とする目標は高すぎるのではないかとの指摘もあった。だが、それぐらいを目指さなければ人口は安定しない。

 戦略では、空き家の利活用や賃貸住宅の拡充によりUターンやIターンを促し、子育て世帯への支援を強化する方針を盛り込んだ。人口減に歯止めをかけるには戦略が最後のチャンスで、実行に移さない選択肢はない。

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