「米国最強の一族」といわれたロックフェラー家の関係する基金が、一族の祖業を源流とする石油大手エクソンモービルの株式をすべて手放すと発表した。地球温暖化対策に消極的というのが理由だ。ただ保有株はすでに少なく、放出の影響はほとんどない。石油で巨万の富を築いた一家が、なぜ今になって石油産業を攻撃するのか。
関係を絶つ
「エクソンは1980年代から気候変動問題に対する世界的な行動を混乱させてきた」「私たちは、公共の利益をあからさまに軽視するような企業との関係を保つことはできない」
ロックフェラー・ファミリー・ファンド(RFF)は3月23日の声明で、エクソンを厳しく批判し、保有株の放出を発表した。
英ガーディアン(電子版)によると、エクソンは地球温暖化を否定する学者への資金支援を批判され、2008年に停止すると発表したが、裏では続けていたという。ロイター通信によると、温暖化リスクに対する情報開示が不適切だったとされ、司法当局の調査を受けている。