私たちが直面しているリスクは、リーマン・ショックのような金融不安とは全く異なります。しかし、私たちはあの経験から学ばなければなりません。2009年、世界経済はマイナス成長となりましたが、2008年時点ではIMF(国際通貨基金)も4%近いプラス成長を予測するなど、そのリスクは十分に認識されていませんでした。プラス4%の成長予測が一気にマイナス成長になってしまう。これがリスクが現実のものとなったときの危機の恐ろしさです。
私は世界経済の将来を決して悲観しているわけではありません。しかし、リスクには備えなければならない。今そこにあるリスクを正しく認識し、危機に陥ることを回避するため、しっかりと手を打つべきだと考えます。G7による合意、共通のリスク認識のもとに日本として構造改革の加速や財政出動などあらゆる政策を総動員してまいります。
そうした中で、内需を腰折れさせかねない消費税率の引き上げは延期すべきであると、そう判断いたしました。
いつまで延期するかについてお話しします。中国などにおいては、過剰設備や不良債権の問題など構造的課題への対応の遅れが指摘されており、新興国経済の回復には時間がかかる可能性があります。世界的な需要の低迷が長期化することも懸念されることから、できる限り長く、延期すべきだとも考えました。
しかし、私は財政再建の旗を降ろしません。