
OECD租税委員会が閉幕し、記者会見する財務省の浅川雅嗣財務官(右)ら=1日午後、京都市【拡大】
一方、多くの国が参加する国際協調の実効性を高めるのは容易ではない。各国が同じように15のルールを守らなければならないが、国ごとに国内税制や税務当局の体制にばらつきがあるからだ。そこで、当初から確実な実施を義務付けるルールは多国籍企業に国ごとの事業実態を報告させることなど4つに絞り込んだ。また、参加国には2~3年かけての体制整備を求めるが、新規参加国には一定期間猶予する。体制が不十分な新興国に対しては法整備面の支援なども行う。
ただ、こうした枠組みがあっても効果は未知数だ。BEPSには法的な強制力がなく、過度の監視には企業の反発も根強い。各国が継続的に実効性を確認し、穴を埋めていく取り組みが今後も必要になる。(万福博之)