さらに、世界の成長を牽(けん)引(いん)してきた中国経済は減速が目立つ。不良債権や鉄鋼の過剰生産などの構造改革は容易ではない。国際通貨基金(IMF)が今月発表した世界経済の成長率見通しは2016年が3・1%、17年が3・4%で、4月時点の予想からともに0・1ポイント引き下げた。
だが、リーマン・ショック後のように各国が金融緩和で世界経済を支える余地は乏しい。このためG20は声明で「構造改革の重要な役割を強調しつつ、財政政策が同様に重要」とした。財務省幹部は「われわれのやろうとする方向性と軌を一にしている」と話す。
政府の経済対策はリニア中央新幹線の延伸前倒しのほか、農産物輸出のための施設などの公共事業を盛り込む見通しだ。当面の経済の下支えに財政出動は一定の役割を果たすが、成長の持続には0%台にとどまる潜在成長率を高める構造改革が欠かせない。
政府は「同一労働同一賃金」をはじめとする労働市場改革などを進める方針を示す。海外経済の減速や円高に耐える日本経済の体質強化が求められる。(万福博之)