
内閣府の公表値と日銀試算とでは実質GDP成長率は少なからず異なる【拡大】
国内総生産(GDP)をめぐって日銀と内閣府の論争が勃発している。ほとんどの企業の申告所得や雇用者への給与総額を把握している税務データに基づき、日銀がGDPを試算したところ、過去10年ほどの実質成長率は平均1.2%と内閣府の公表値(0.6%)の2倍に膨らんだからだ。専門家は「信憑(しんぴょう)性は不明だが、面白い試み」と評価している。
日銀は7月中旬、100ページ弱に及ぶ論文をホームページ(HP)上で公表。とくに関心を集めたのが、消費税率が5%から8%に引き上げられた2014年度の試算だ。名目GDPの実額は519兆円と内閣府の公表値(490兆円)より約30兆円も多かった。成長率も内閣府はマイナス0.9%と算出しているが、日銀はプラス2.4%と百八十度異なる。
内閣府は国連が定めた基準に基づき、主に個人消費や設備投資などの統計項目を積み上げる形でGDPを算出している。14年度は増税前の駆け込み需要の反動が出て消費は低迷したが、「GDPの落ち込みが大きすぎるのではないか」(エコノミスト)との見方は多かった。