
金融政策の目標をお金の「量」から「金利」に転換した9月の金融政策決定会合=9月21日午前、日銀本店【拡大】
日銀は10日、2%の物価上昇目標の達成時期を「2018年度ごろ」に先送りした10月31日~11月1日の金融政策決定会合での「主な意見」を公表した。従来の「17年度中」から約1年延ばしたが「(18年度までの)見通し期間中に物価(上昇率)は2%に達しない」と実現を疑問視する見方があり、達成時期をめぐる温度差が浮き彫りになった。
達成時期の延期は5度目で、黒田東彦総裁は18年4月までの任期中の実現を事実上、断念した。会合では消費不振で物価の低迷が長引いているが、石油価格が上昇に転じたため、物価は「2%に向けて上昇率を高めていく」などとし、実現は「18年度ごろ」との見方が多かった。一方で物価上昇の期待が高まらず「比較的近い将来に2%程度の水準に達することは見込まれない」との意見も出た。
日銀は達成時期を先送りしたが、9月に導入した長短金利を操作する枠組みの効果を見守るとして追加金融緩和は見送った。ただ「日銀自身が無用に市場の変動を高めないことも非常に重要」と市場との対話に配慮すべきだとの声もあった。
今後の金融政策運営に関し、追加緩和は「2%に向けた勢いを維持するために必要かどうか」で判断し、マイナス金利の深掘りも民間銀行への影響を考慮しつつも「判断基準は日本経済全体」との意見があった。