このリーマン・ショックみたいな波はありますが、実は、一定年齢以上の方は実感あると思います。あのバブル崩壊を境に、日本はもう30年近くにわたって経済が低迷しています。波はあるけれどもずっと低迷しています。なぜか。それは消費が冷え込んでいるからなんです。国内でモノやサービスが売れないからなんです。
輸出は、ご当地のトヨタ自動車さんなんか含めて、世界経済の影響で波がありますよ。新興国の追い上げで大変ですよ。それでも、実は、そのバブル崩壊の前の時代と比べて、日本の輸出産業の成長力はほとんど落ちてないんです。落ちたのは国内でモノやサービスが売れなくなった。これで経済、低迷してるんです。
その原因は、一つは人口減少です。お客さんが減ってるんですから。売れ行き下がるのが一般です。でも、それ以上に大きいのは、格差が拡大しているからじゃないですか。年収500万の人が200万に減ったら、300万円、消費減るじゃないですか。年収100万の人が300万になれば、増えた200万、消費に回るじゃないですか。所得の低い人ほど手にした収入の大部分が消費に回ります。この人たちの所得が増えるか減るかは、消費に直接つながるんです。
一方で、お金持ち、年収1億、2億の人が、株が上がって年収増えたからといって、全部使いますか? 使いませんね。投資や貯蓄に回したりして、消費される比率は低いんですよ。だから「一億総中流」と言われていた分厚い中間層が減って、ちょっとだけお金持ちが増えて、減った分の大部分は苦しくなった。これでは消費が落ち込むの、当たり前なんです。ここに目を向けていないから、いくらアベノミクスをふかしても、経済の本格的な回復にはならないんです。