特別養護老人ホームを待っていらっしゃる方は万単位で全国にいます。特別養護老人ホームのベッドは1割以上空いています。ベッドはあるのに、待っている人はいるのに、なぜ空いているんでしょうか。働いてくれる人が集まらないからです。なぜ集まらないのか。命にかかわる責任の重い仕事で、体も使う重労働で、でも賃金が安すぎるから、意欲を持ってその仕事に入った人でも、長く続けられない人たちがたくさんいます。
保育所が足りない問題も、土地や建物の問題もあります。でも、新しい保育所を作ろうとしても、なかなか保育士さんを集めるのが大変です。これも賃金が安すぎて重労働で、なかなか、資格を持っていても、例えば一度家庭に入られた方が「職場復帰しよう」、そう思っていただけません。
おかしいんです。この国は資本主義の国です。資本主義の国では、価格は、需要と供給のバランスで決まるんです。ほしい人がたくさんいて、売っているものが足りなければ、値段は上がるんです。たくさん売っているけどほしい人が少なければ値段下げなきゃ売れないんです。
賃金の基本もそうです。需要があるんです、介護も、保育も。人手がなくて困っているんです。普通はその賃金は上がるのが当たり前なんです。上がっていない理由は政治にあります。
なぜなら、介護保険も、保育所の制度も、政治がそこにどれぐらいのお金を回すのか決めているからです。政治がコントロールして、押さえ付けているからです。だから、需要があって、もっと賃金を払ってでも人を集めたいけど、介護施設も保育所も払いたくても払えないんです。その結果、老後の不安や子育ての不安につながっているんです。