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【浜松物語】河合楽器(3)児童教育での楽器需要「アジアのポテンシャル大きい」…河合弘隆社長

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【浜松物語】河合楽器(3)児童教育での楽器需要「アジアのポテンシャル大きい」…河合弘隆社長

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河合楽器製作所を創業した河合小市氏(同社提供)  □河合弘隆・河合楽器製作所社長(3)

 ◆露の現地法人好調

 --児童教育の場は楽器を使うボリュームゾーンであるが、日本は今、少子化傾向にある

 「その傾向があるのを事実として捉え、いかに事業を発展させていくかが求められる。楽器の製造・販売、音楽教育については国外での事業実績も長く、製造・販売の実績は台数ベースでみると既に国外の方が多くなっている。特に中国をはじめアジア地域は、人口が増加している国が多く、児童教育を受ける層が拡大傾向にあり、楽器の需要についても今後のポテンシャルは大きいとみている」

 --昨年、一番新しい海外法人をロシアに設立した

 「ロシアはこれまで世界的な作曲家やピアニストを数多く輩出している音楽大国。ソ連時代は国家が一部の音楽エリートに徹底した教育を施す体制だったが、ソ連崩壊から20年以上たち、今では音楽を学ぶ層の裾野が広がっており、やはり音楽大国としての底力が感じられ、業績も好調な滑り出しを見せている」

 --楽器製造や音楽教育以外の事業の展望は

 「ピアノは木材、金属、フェルト、塗料などいくつもの素材が使われ、それらは音響にも影響を与える。そのため当社は創業から今に至るまで数多くの素材について研究し、豊富なデータの蓄積がある。それらを生かし、素材加工を受託するのが素材加工事業。近年、素材の多様化が進み、複合素材も増える中で、当社がピアノ製造で培った素材加工技術は、応用する領域・分野が広がっている」

 「浜松は自動車、精密機器などの製造業も盛んであり、それらに当社の素材加工技術が役立つことで、業種を越えてメード・イン・ハママツのブランド力向上に寄与できれば、うれしい」

 --金属加工の事業会社は30年以上の歴史がある

 「現在、鉄も非鉄金属も品種が増え、板厚や形状などニーズも細分化している。そのような中で当社は、オルガンのリード加工から生まれた精密異形圧延技術を有し、1980年にカワイ精密金属を設立。精密圧延異形板はパワートランジスタ用リードフレームを中心とした半導体材料、コネクター材料からスタートし、今では自動車関連部品にも数多く使われている。同社を含め連結での素材加工全体の売上高は、2015年3月期で約17%に達している」

 ◆温かい音色を世界に

 --社業を通じた夢は

 「全ての事業分野でメード・イン・ハママツを誇りにしている。浜松一帯は古くから遠州と呼ばれ、温暖で心地良い風が吹くこの土地を私は愛している。その浜松の風のような温かい音色を、ピアノを通じて、国境を越え多くの人に伝えたいというのが私の変わらない夢だ」

                   ◇

 「世界一のピアノ」を造るという創業者の河合小市氏の思いに始まり、それを高級ピアノ「Shigeru Kawai」に結実させた2代目社長の河合滋氏、それを世界に広める3代目の現社長。壮大な約90年にわたる叙事詩はまだ途上であり、これからも続く。

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