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仕事・キャリア
「働きごこち」徹底比較 給与や条件だけでは見えない“心理的報酬”【前編】
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仕事を選ぶ時に、忘れてはいけない指標がある。それが「働きごこち」というものだ。「自分がどんな環境で、何を大切にしながら働きたいのか」を明確にしておけば、転職時の仕事選びはもちろん、日々の仕事においても、より自分らしく、満足度高く働けるはずだ。そこで今回は、3職種の合計9人に、それぞれが大切にしたい「働きごこち」について聞いてみた。あなたの場合はどうなのか、考えるきっかけにしてみてほしい。
仕事探しをする際、求人広告から読み取りやすい「報酬」「応募条件」「スキル」などに目が行きがちだ。確かに、それらは仕事選びにおいて欠かすことのできない大事な指標だ。
しかし、もう一つ大事な指標がある。それが、「働きごこち」だ。自分自身がどのような志向・価値観を持ち、何を大切に働きたいと考えるのか。心の中で抱いている「こうありたい」と願う気持ちが満たされる職場かどうか見極めることが、実は仕事の満足度を大きく左右する。こうした4つの指標は、どれも欠かしてはいけない大切なものだ。大事なのは、どのようなバランスを求めているのか考えておくこと。そのうえで、自分自身はどんな「働きごこち」を大切にしたいのかを考えてみてほしい。さらに、大切なものについて優先順位をつけておくことも忘れないように。
ここからは、実際のビジネスパーソンが「4つの指標のバランス」をどのように考えているのかを紹介。職種ごとに3人ずつに話を聞き、比較しながら見ていこう。あわせて、彼らが大切にしたい「働きごこち」についても、前記の診断で使用した項目をもとに選んでもらい、優先順位をつけてもらった。
まずは営業職。話を聞いた3人は、ともに保険会社の営業職として5000人規模の上場企業に勤務中。個人向けの商品の販売がメインで、メンバーのマネジメントを行いながら、既存顧客のフォローや、時には新規顧客獲得のために飛び込み営業も行う。
<「働きごこち」の何を重視するか>
●周囲の人と競い合える組織 50%
●なるべく多くの人や企業と関わりたい 20%
●仕事を通じて、明確な足跡を残したい 15%
●昇進、昇格しやすく、若くして権限を持てる組織 10%
●複雑で困難な課題を扱いたい 5%
2度の転職経験があるAさん。その経験から、「報酬だけは譲れない」という。「自分自身の努力が報酬にきちんと反映されるかどうかで、仕事に対するモチベーションや満足度が全然違うことに気づきました。営業の醍醐味は成果が数字でわかりやすく表れることだと考えています。だから、常に明確な目標を持てることが大事です。もちろん、ほかの指標を軽視しているわけではありませんが、モチベーションが高くいられることで、多少の働きにくさも自分としては目をつぶれると思っています」
働きごこちについては、「周囲との関係性」を重視している。「ライバルと呼べるような、張り合える仲間が近くにいることで、困難な仕事でもくじけずに踏ん張れると思います。個人向けの営業は、『急に気が変わった』など、なかなか思うように進まないことも多々ある。そんな時に、刺激を与えてくれる仲間がいれば、気持ちが折れずに頑張れると思います」
<「働きごこち」の何を重視するか>
●教育制度の充実した組織 30%
●成果だけでなく、プロセスが評価される組織 30%
●理念やビジョンが明確な組織 20%
●好きな業界や商品に関わりたい 10%
●専門分野を極めたい 10%
最初は「自分には向いていない」と思いながら、営業職として働き始めたBさん。「保険という商材には興味があったのですが、引っ込み思案な性格の僕に営業は向いていないと消極的でした。しかし、先輩方の話を聞いたり、場数を踏んでいくうちに、『努力しただけ自分にきちんと返ってくる、やりがいの持てる仕事』だと思うようになりました。それは報酬面でも、自分のスキルや経験という意味でもです。今の職場の雰囲気がよく、『自分は育ててもらった』という気持ちが強いので、働きごこちはとても大事だと痛感しています」
働きごこちについては、「報酬だけでなく,プロセスも見てほしい」と語る。「営業の面白さは、成果が目に見えやすいところ。一方で、成果を出すためには、人それぞれいろんな工夫をしています。そうしたプロセスこそが営業の個性。だから、そこに目を向けられる会社で働ければ、よりモチベーション高く頑張れるのでは。わからないことはそのままにしたくない性格なので、放任主義よりは、細かく面倒を見てくれる環境のほうが、イキイキと働けると思います」
<「働きごこち」の何を重視するか>
●データや状況などを細かく分析、探求したい 35%
●人や組織、社会に影響を与えたい 25%
●好きな業界や商品に関わりたい 20%
●成果だけでなく、プロセスが評価される組織 10%
●仕事だけでなく、個人の生活も重視する組織 10%
Cさんのモットーは「バランス感覚を大切にする」。「営業先でも、自分のキャリアアップを考える時でも、何かとバランスを重視する性格なんです。ただ単に優柔不断なのかもしれませんが(笑)、広く全体に目を通しておかない気が済まないんです。だから、仕事選びにおいても、4つとも均等に評価して決めたいと思ってしまいます」
働きごこちについては、本人も意外な結果が。「よく考えると、何事に対しても、足りないものを分析したり、どうすれば一段底上げできるのかをいつも考えている気がします。データ分析は得意だし、やっていて面白いですので、何かしらそういうスキルが活かせる仕事に携わりたいと思っています。今の仕事は、クライアントごとに性格や特徴も違えば、生活環境や将来への不安要因も異なります。マニュアル通りの、正解のやり方なんてないからこそ、今の仕事に面白味を感じているんだとあらためて気づくことができました。また、自分の介在価値を常に意識しているので、仕事を通じて何かしらの影響力が発揮できれば、より満足度が上がると思います」
(リクナビNEXT/2012年10月31日)