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ビジネスチャンスはここにある?!「7つのトレンドキーワード」【前編】

ニュースカテゴリ:暮らしの仕事・キャリア

ビジネスチャンスはここにある?!「7つのトレンドキーワード」【前編】

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世の中はものすごいスピードで変化しており、流行り廃りも目覚ましく変わっている。だからこそ、情報感度を高く持ち、意識して世の中の動きに目を向けておくことはビジネスパーソンとして大事なことだ。そこで、今後注目したい業界や商品など、「次のトレンド」についてデータを読み解くプロにキーワードを挙げてもらった。

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株式会社ニッセイ基礎研究所 生活研究部門 研究員 久我尚子氏

早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了後、NTTドコモに入社。独立法人日本学術振興会特別研究員(統計科学)を経て、2010年より現職。消費者行動や心理統計、保険・金融マーケティングを専門分野とし、消費者の嗜好の科学的分析を得意とする。論文や執筆のほか、マーケティングについての講演などでも活躍。

百年コンサルティング株式会社 代表取締役 鈴木貴博氏

東京大学工学部物理工学科卒業後、ボストンコンサルティンググループに入社。分析力と洞察力を武器に企業間の複雑な競争原理を研究し、伝説のコンサルタントと呼ばれる。ネットイヤーグループの起業に参画後、2003年に百年コンサルティングを創業。以来、大企業を中心にアドバイザーとして活躍。著書に『会社のデスノート』『ワンピース世代の反乱、ガンダム世代の憂鬱』(ともに朝日新聞出版)、『アマゾンのロングテールは、二度笑う』(講談社)ほか多数。

【注目のキーワード1】教育

子どもが減っている分、「一人当たりの教育費」が増えている

少子高齢化社会へ急速に移行中の日本。子ども向けの市場は、軒並み縮小を余儀なくされている。しかし、少子化を追い風に成長が見込めそうな分野がある。教育業界だ。

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「現在、19歳以下の人口は総人口の約18%となっており、今後は2025年には13.5%、2055年には11.7%まで落ち込むと予測されています。このように年々子どもの数が減っている一方で、実は、高校卒業者の進学率は右肩上がりで伸びているのです。さらに、世帯年収に占める教育費の割合も年々増えており、最新のデータでは約4割という数字が出ています。これらから考えられるのは、進学を希望する子どものために、お金がかかっても質の高い教育を受けさせようという流れです。その恩恵を受けるのは「予備校」や「学習塾」といった分野でしょう。すでに、幼児向けの右脳開発やアート教室、英語や中国語といった習い事教室や、大学生向けのキャリア教育など、幅広い年代向けのあらゆるサービスが充実し始めてきているのも、その予兆といえそうです。また、共働き世帯が増えており、『子どもを預ける』というニーズも増えるでしょうから、保育やベビーシッターといった分野の成長も見込めるかもしれません」(久我氏)

【注目のキーワード2】結婚

企業だけでなく、一部の自治体が動き出している

未婚率は年々上昇中。総務省からも、生涯未婚率は男性が19.4%、女性は9.8%というデータが発表されている。

「異性との交際を望んでいるのに交際相手がいない男女が増えています。にもかかわらず、未婚者に結婚の意志を聞くと、男性も女性も9割近くが『いずれ結婚するつもり』と回答しているんです。つまり、結婚したくてもできていない人がたくさんいるということ。そんな未婚者たちをつないであげるビジネスは、今後さらに成長する可能性が高いでしょう」(久我氏)

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インターネットを使って出会いの創出を…となると、「出会い系」といったワードを思い浮かべがちだが、最近は「マッチング」という前向きな表現を使うことで、より一般化し始めている。

「実は、企業だけでなく、自治体主導で街をあげて合コンパーティを開催したり、県が主催してマッチングのための新規事業を立ち上げたりといった事例も出始めているんです」(久我氏)

【注目のキーワード3】宅配サービス

「6.7軒に1軒は一人暮らしの高齢者」の時代が来る

高齢者(65歳以上)が総人口の20%を越えている日本は、世界でも例がない「超高齢社会」の国。今後も高齢化が進むのは間違いない。

「世帯数の推移を予測したデータを見ると、一般世帯数は人口の減少にともなって2015年ごろをピークに減少していくのですが、高齢世帯は微増していきます。中でも注目したいのが、一人暮らし高齢者世帯の増加です。つまり、彼らをサポートするサービスは、必ずニーズが高まっていくということなんです」(久我氏)

もちろん、シニア、特に後期高齢者(75歳以上)向けのビジネスとして「介護」は切っても切り離せない存在となる。しかし、よりさまざまなインフラと結びつきやすいという点から、久我氏は「宅配サービス」に注目しているという。

「すでに一部のコンビニエンスストアが宅配サービスを導入し、顧客の拡大に成功しています。今後、この動きに追随するところは確実に増えるでしょう。また、ただ届けるだけではなく,一人暮らしの高齢者を見守る存在としても期待が高まるはずです」(久我氏)

共働き世帯の増加や、インターネットの普及といった生活スタイルの変化も、宅配サービス事業が拡大することの追い風になりそうだ。すでに普及しているサービスやビジネスの中にどのように取り入れられていくのか、注目しておきたい。

(リクナビNEXT/2012年3月21日)

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