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仕事・キャリア
10年後が見えない…自分の将来を描ける人はわずか14.7%
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社会人として経験を積んでも、「自分に何が向いているのかわからない」「5年後、10年後の将来像が描けない」という人は少なくない。自分の軸を定めないままキャリアを積んでいくことを、不安に感じている人もいるはずだ。今回は、28歳のビジネスパーソンに焦点を当て、300人にアンケートを実施。30歳を目前に控えた今、5年後、10年後、さらにはその先の「職業人としての将来像」を描けている人はどれだけいるのだろうか?彼らのキャリア観の「リアル」を探ってみたい。
<28歳ビジネスパーソン「自身の将来像」についてのアンケート>
調査方法:インターネット上で実施(メディアパーク)
実施期間:2011年10月7日(金)~10月11日(火)
調査対象:全国の28歳のビジネスパーソン
調査人数:300人(男性150人、女性150人)
<ADVISER>
株式会社人材研究所
代表取締役社長/曽和利光氏
リクルート、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門、管理部門の責任者を務め、主に採用・教育・組織開発の分野でさまざまな実務やコンサルティングなどを経験。2011年10月に独立。「人々の可能性を開花させる場や組織をいかに作るか」に取り組んでいる。
「あなたは今、5年後、10年後、20年後に、自分がどんな環境でどんな仕事をしているという将来像を、具体的に描けていますか?」--こんな質問を全国の28歳ビジネスパーソンに投げかけたところ、「描けている」と答えた人はわずか14.7%。8割以上の人が「自身の将来像を描けていない」という結果となった。
その理由として一番多かったのが「漠然とやりたいことはあっても、具体的にどんな仕事なのかイメージがつかない」(21.5%)というもの。次に続いたのが、「目先の仕事が忙しくて考える暇がない」「世の中がめまぐるしく変化しているので考えても意味がない」という意見だった。
28歳と言えば、社会に出て5年程度経つという人が多いため、そろそろ自分の強み、弱みが見えてくる年齢のはず。しかし、まだ将来進む道を決めかねている人が大多数であり、「将来像が描かれていないことに焦りや不安を感じない」との意見が10.2%を占めるなど、将来を考えること自体にあまり重要性を感じていないという人も存在するようだ。
「将来像を描いていない」85.3%の人の中で、「なりたい自分を見つけるために行動している」人は24.6%だった。決して高い数値とは言えないが、その回答からは、自分が進むべき道をつかもうと試行錯誤している姿が見えてきた。
「どのような行動を取っているか」との問いに一番多かった答えは、「友人に会って話を聞く」というもの。「友人の近況や仕事内容を聞き、自分と照らし合わせる。また自分の話を聞いてもらい第三者的な意見を言ってもらう」(電気・電子・機械系メーカー/ソフトウェア・ネットワーク系エンジニア)、「付き合いの長い友人に自分でも気づかないようなところを指摘してもらったり、気づかしてもらったりする」(流通・小売/サービス・販売系)など、同年代の友人のキャリア観をつかむ、客観的なアドバイスからヒントをもらうという声が聞かれた。
次に多かったのが「ビジネス本を読む」との意見。「分野を決めず、目に付いたものを手に取ることで、自分のやりたいことが見つかるかもしれないと思いながら読んでみる」(IT・通信/ソフトウェア・ネットワーク系エンジニア)、「自分と違う価値観、新しい考え方を吸収して、将来をいろんな角度から考えるきっかけにする」(不動産/営業系)など、ビジネス本の中から自分に向いている道を探し出したいとする意見が多かった。
その他としては、こんな意見もあった。
「転職エージェントに、自分のキャリアを客観的に見てもらう。自分は営業向きなのか技術向きなのか、それとも独立したほうが賢明なのかを、今までのキャリアと併せて率直に聞いている」(電気・電子・機械系メーカー/電気・電子・機械系エンジニア)
「旅に出る。ストレス発散が主な目的だけど、旅に出ていろいろな人に出会う中で、思ってもみない職業の人に出会うことがある。自分の生き方を、旅行に行くたびに考え直すきっかけになる」(製造業/事務)
「FacebookやTwitter、mixiなどSNS上でつながった人に話を聞く。自分の興味のある事でつながっているからほかの人の見方を知ることができる」(流通・小売/サービス・販売系)
「異業種交流会などに参加して、さまざまな業界の人に会って話を聞く。近場の人ばかりだと似たような考えを持ちやすくなるので、ほかの業界の人から情報を聞いたり、自分がどのように見られるのかを確認する。興味がある業界ならさらに詳細を聞き、情報を集めている」(電気・電子・機械系メーカー/電気・電子・機械系エンジニア)
ただ、75.4%と大多数の人は、「特に何も行動していない」という答えだった。将来なりたい姿、すなわちこれからの自分の軸を決めないままに働き続けることに、リスクはないのだろうか?そして、「なりたい姿を見つけたい」と思ったとき、どんな行動を取ればいいのだろうか?専門家にアドバイスをもらった。